「専門医は取るべきか」に、唯一の答えはない

専門医を取るべきかどうかは、医師のキャリアで最も多い悩みの一つです。結論を先に言えば、あなたが進む道によって答えは変わります。臨床医として働き続けるのか、経営者を目指すのか、別分野に進むのか。ここを分けずに議論するから、話が噛み合わなくなります。

アイジュアイジュ
凡人であればあるほど、僕は専門医を取っておいた方がいいと思います。潰しが効くというのは、それだけで大きな安心ですよ。
ゆーゆー
雇用される側で働くなら、専門医は持っておく方が有利です。ただ、目指す道によっては優先順位が変わってきますね。

臨床医として働くなら、取る方が有利

臨床医として雇用される道を歩むなら、専門医は取っておく方が選択肢が広がります。ポッドキャスト「医局の外で会いましょう」でも、専門医を持つ医師ほど転職市場で「潰しが効く」という点で意見が一致しています。

加えて、近年の診療報酬改定では専門医の有無で算定できる項目が変わる方向に動いています。国が専門医を持つ医師を優遇する流れは今後強まる可能性があり、臨床を続けるなら取れるうちに取っておくのが現実的です。

経営者・起業を目指すなら、優先順位は変わる

一方で、クリニックの経営や起業を早くから目指す人にとっては、専門医の重要度は下がります。同ポッドキャストでは、経営者として複数の事業を展開したい人なら、専門医の研鑽よりビジネス目線を早く鍛える方が有利になる、という視点が語られています。

経営者は、専門医を持つ医師を雇うことで医療の質を担保できます。自分自身が専門医である必要は必ずしもなく、そこに時間を注ぐより経営の経験を早く積む選択が生きる場合があります。

研鑽の時間そのものには価値がある

専門医を取るか否かの問題と、研鑽をどこまで積むかの問題は、必ずしもイコールではありません。大学受験や部活で一つのことに打ち込んだ経験が後から効いてくるように、集中して研鑽を積んだ時間は、形を変えて将来に生きてきます。

難しいのは、その成果が1〜2年では見えないことです。研修直後の頑張りがじわじわ効いてくるのは数年後で、短期で答えを求めると「無駄だった」と感じやすくなります。

PODCAST

医局の外で会いましょう

医局を抜けた2人の医師が、キャリア・お金・生き方を本音で語るVideo Podcast。

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取るか取らないか、判断のチェックリスト

  • 臨床医として雇用される道を歩む → 取る方が有利
  • 大学院・研究のキャリアを考えている → 取っておく方が自然
  • 早期の開業・経営が明確な目標 → ビジネス経験の優先度が上がる
  • 方向性がまだ定まっていない → 取れるものは取り、選択肢を残す

迷っているなら、取っておく方が選択肢は狭まりません。レールから外れる勇気は必要ですが、外れた後に戻る道を残しておくのも一つの戦略です。

アイジュアイジュ
僕自身、専門医を取って論文も書いて、それでも別の道に来ました。取った経験は、無駄にはなっていませんよ。
ゆーゆー
成果はすぐには見えません。だからこそ、迷うなら選択肢を残す方向で考えるのがいいと思いますね。

専門医は目的ではなく、手段

専門医はゴールではなく、あなたのやりたいことを実現するための手段です。取ること自体が目的になると、キャリアを見失います。自分がどこへ向かうのかを先に決める。そのうえで、専門医が必要かを問う。あなたの進む道に、専門医はどう関わってきますか。