「医局を辞めてよかった」と言える医師は、何が変わったのか
医局を辞めるか迷う医師が最も知りたいのは、他人の綺麗事ではなく辞めた人のリアルな結末です。ここでは、実際に医局を離れた医師の本音を紹介します。
ポッドキャスト「医局の外で会いましょう」で消化器内科の医局を辞めたゆー医師は、辞めた後の変化をこう語っています。医局時代は週6で働き、平日に家へ帰っても子どもも妻も寝ている、土日もどちらかは病院にいる。家庭の時間はほぼ持てていなかった、と。
アイジュ
ゆー辞めて最初に変わったのは「時間」だった
常勤を週6から週4まで減らし、夜間の待機もなくした結果、生活が一変します。平日に1日休みができ、土日も休める。当直に呼ばれることもない。それまで存在しなかった自分の時間が生まれました。
- 平日に子どもの学校行事へ参加できるようになった
- 土日を家族と過ごせるようになった
- 心身の余裕が戻り、判断力が回復した
時間ができて、初めて見えた景色
興味深いのは、時間ができた後に起きた変化です。ゆー医師はこう続けます。これだけ休みがあると、何かしらやりたくなる。自分のキャリアを考えると、今後何かやっておかないとまずいという気持ちが自然と湧いてきた、と。
忙しすぎた頃は周りの世界が見えず、思考が停止していた。時間の余裕が生まれて初めて「これって面白そうだ」と思えるものに出会える。その結果として、産業医やパーソナルドクターという新しい働き方にたどり着きました。
アイジュ
ゆーそれでも辞める前は怖かった
辞めてよかったと語る医師も、決断の前は不安を抱えていました。いきなり転職する、いきなり医局を辞める、いきなりバイトを変える。どれもハードルが高く、気持ちはよくわかると2人は言います。
だからこそ勧めているのが、いきなり大きく動くのではなく、まず1日休んで考える時間を取るという小さな一歩です。有給を1日使い、何もせず自分のキャリアと向き合う。その1日が、辞めるかどうかの答えを出す起点になります。
辞める人と、流される人の違い
同ポッドキャストで繰り返し語られるのは、自分で選んでいるかどうかが決定的だという点です。考える時間を持ち、自分で選択して動いている医師は生きている。考える時間もなく、ただその環境に置かれ続けている医師は苦しくなる。
これは辞める・辞めないの話ではありません。辞めて別の道を選ぶにせよ、残って臨床を続けるにせよ、自分の意思で選んだかどうかが数年後の満足度を分けます。
辞めた後の後悔を防ぐために
「辞めてよかった」と言える人に共通するのは、辞める前に自分の軸を持っていたことです。逆に、勢いだけで辞めると後悔につながりやすくなります。辞める前に確認したいのは次の点です。
- 辞めた後にやりたいことの方向性が見えているか
- 専門医など取れるものを取り終えているか
- 収入と生活の見通しが立っているか
あなたの人生は、あなたが選んでいい
医局を辞めることは、逃げでも裏切りでもありません。自分の時間と人生を、自分の手に取り戻す選択です。辞めた医師の多くが振り返って言うのは、たった一つ。もっと早く、自分のために考える時間を作ればよかった。あなたが取り戻したい時間は、どこにありますか。