医師の収入は、非常勤で決まる部分が大きい
大学病院の医師の収入は、外勤と呼ばれる非常勤バイトで補われる構造になっています。医局を離れた医師にとっても、非常勤の単価と組み方は収入設計の中心です。同じ週1コマでも、何を選ぶかで年収は数百万円単位で変わります。
それなのに、単価の構造やバイトの選び方を教わる機会はありません。ポッドキャスト「医局の外で会いましょう」のゆー医師は、医局時代にバイトを自分で探した経験が一度もなかったと語っています。医師免許・保険医登録票・研修修了証の3点セットの存在すら、転職時に初めて知ったほどです。
アイジュ
ゆー時給が決まる3つの要素
1. 需給|担い手が少ない仕事ほど高い
当直、透析、内視鏡、寝当直。同じ「1日」でも、その仕事をできる医師・やりたい医師の数で単価は変わります。専門手技があるほど、地方であるほど、単価は上がる傾向があります。
2. 経由ルート|医局・紹介会社・直接契約
医局経由は手続きが楽な一方、単価は固定的です。紹介会社は選択肢が広く、直接契約は中間マージンがないぶん条件交渉の余地があります。どのルートで働いているかを把握するだけでも、改善点が見えます。
3. 拘束の質|実働か、待機か
額面の日給だけでなく、実際の忙しさ、呼ばれる頻度、移動時間まで含めて時給換算する。この「本当の時給」で比べると、バイトの評価は額面と逆転することがあります。
健診バイトの落とし穴|金しか残らない労働
ここが本題です。時間が空いたから健診バイトを入れる。単価だけ見れば合理的ですが、同ポッドキャストではこう指摘されています。それは単なる労働で、金しか得られない。10年続けても、スキルも人脈も積み上がりません。
対照的に、経験が次につながるバイトがあります。産業医は企業側の視点と人脈が育ち、専門外来は手技と紹介が積み上がる。ライティングや発信は、書籍や講演という予想外の展開を呼ぶことがあります。目先の時給は低くても、雪だるま式に増える。これが複利になるバイトです。
- 時給は高いが何も残らない:健診、寝当直の積み増し
- 時給は普通だが積み上がる:産業医、専門外来、教育・執筆
- 判断基準:「このバイトを3年続けたら、時給以外に何が残るか」
生活のためのバイトと、未来のためのバイトを分ける
全部を複利型にする必要はありません。生活費を支える高単価バイトを土台に置き、残りの1コマを未来につながる仕事に充てる。この配分なら収入を守りながら、数年後の選択肢を増やせます。
アイジュ
ゆー時給表の外側で、差はつく
非常勤の単価を最適化するのは大事です。ただ、時給の高低だけで埋めたカレンダーは、10年後も同じカレンダーのままです。1コマだけでいい、未来に積み上がる仕事を混ぜてください。あなたの来月の予定表に、複利になるコマはありますか。