こんにちは、プロデューサーのサトシです。今日はシーズン17-1の内容をお伝えします。

スタディーではなく、ラーンする

収録は6月頭。年初の目標をそろそろ振り返る時期だ、という話から入ります。アイジュさんはその日たまたま自分のリストを見返していて、一番上にフランス語の習得と書いてあったそうです。いま一番力を入れていないことかもしれない、1日20分しかやっていない、と白状していました。ゆーさんは3か月ごとに小目標を立てて振り返る派です。目標は見る回数を増やさないと達成できない、という点で一致していました。

本題は英語です。

アイジュさんは帰国子女ではありません。留学もしていません。TOEICもTOEFLも英検もIELTSも、一度も受けたことがない。だから自分の英語がどのくらいなのか本人にも分からないそうです。それでいて、喋るのに困ることはいまもない。

どこで身についたのか。世界一周の途中でした。生きた英語をどうにかしないと、という危機感が先にあった。勉強したというより、学んでいた、という言い方をしています。リスニングが良くなったのも放浪していた時期だそうです。

アイジュアイジュ
コミュニケーションのツールとしての英語は、スタディーするものじゃなくてラーンするものだと思ってるんですよ。日本人はスタディーしすぎたなと。
ゆーゆー
まさにそこですよね。読めるけど喋れない、ザ・日本人です。

高校時代のアイジュさんは、受験勉強としての英語が得意な普通の高校生でした。医学生や高学歴の人は総じてできるほうに入るけれど、リスニングが得意だったわけではない。使わないと生きていけない状況が変えた、と繰り返していました。

いまは英語で言われたら英語のまま返しているそうです。日本語から訳しているわけではない。ただ収録の前日に日本人同士で飲んでいたせいで、その日の朝はヨーロッパ人の同僚を相手にした瞬間に、あっ、となったそうです。切り替えのはずのところが動かなかった。

回せる先生が、必ずいる

もうひとつの軸が、ゆーさんの側の話でした。

アイジュアイジュ
ゆーさん、英語で困ったことってあります。
ゆーゆー
それが、あんまりないんですよ。

理由がはっきりしています。外国人の患者さんが来ると、英語を話せる先生の外来に回してしまう。院内には留学経験のある医師が必ず誰かいます。それに通訳がついてくるケースも多い。自分が喋らざるを得ない状況に追い込まれたことがない、と言っていました。

そもそも外国人が来ない地域もあります。

医師10人のうち1人か2人は、ぺらぺらではなくてもコミュニケーションくらいは取れる。だから組織としては困らない。困らないので、残りの8人は使う機会を持たないままになります。

そのうえでアイジュさんが付け足していたのが、留学していた先生が必ずしも話せるわけではない、という点でした。研究の用語で回していれば済む世界にいた人は、一般会話が苦手なことが実は多い。2年間留学されていたけれど、あれは研究を頑張っていたんだろうな、と感じる先生がいる、と。

裏返しのことが自分にも起きていました。研修医の頃、渋谷に近い大学病院にいたので、外国人が来るとアイジュ君を呼んでこい、となる。ホテルの人が連れてくることもありました。ところが困ったのは日常会話ではなく医学用語のほうでした。点滴が必要ですと言いたいのに、点滴が出てこない。IVと言ったら通じた、という記憶が残っているそうです。

医師同士は略語で話します。CKDやLC、HBVのような頭文字ならまだいい。日本語だか英語だか分からない現場の言い回しになると、そもそも英語に置き換えられません。15年前は翻訳ツールもありませんでした。

透析の外国人患者さんの担当になったときには、教授に驚かれたそうです。お前、なんでそんなに英語ができるんだ、と。世界一周のあとだったので、日本人の中では上のほうにはいたと思う、と本人は言っていました。

試験を一度も受けていない人が、いちばん英語を使っています。