子供にはバイリンガルになってほしい。多くの親が願うことです。ですが、海外で子をインターナショナルスクールに通わせるアイジュ医師の答えは、少し意外です。ポッドキャスト「医局の外で会いましょう」で語られた、子供の英語教育のリアルを紹介します。
「話せるように」したいなら、勉強させてはいけない
逆説的ですが、これが核心です。受験でいい学校に行かせたいなら勉強でいい。でも「英語を話せるように、コミュニケーションが取れるように」したいなら、勉強とは別の道が要ります。
アイジュ
ゆー幼稚園からインターを、おすすめしない理由
意外なことに、アイジュ医師は幼稚園からのインター一択には慎重です。理由は、母国語という土台が揺らぐことにあります。全教育を英語に切り替えると、「自分の本当の言語は何なのか」が曖昧になりかねません。
日本で暮らしているなら、日本語に触れる機会が多いぶんまだいい。それでも、英語に全振りするのは家庭でよほどのサポートがない限り、子供の負担が大きくなります。
小学校低学年までは、日本語の読み書きを
むしろ大切なのは、日本語の土台です。せめて小学校低学年までは、日本語の読み書きをしっかりやる。そのほうが、結果的に英語の上達も早いという実感が語られています。
日本語が難しいのは、話す以上に読み書きだからです。ヨーロッパの子が9歳で英語ぺらぺらなのは、母国語と英語がどちらもアルファベットで、読み書きが地続きだから。漢字という別システムを持つ日本語話者とは前提が違います。ここを飛ばすと、どちらの言語も中途半端になりかねません。
触れさせるなら「楽しく・経験として」
では小さいうちに何もしないのかというと、そうではありません。触れさせること自体は良いこと。ただし、点数を取りに行く勉強にしないのがコツです。
- 4〜5歳から、週1回の英語教室で「楽しむ」程度に触れる
- 英語塾より、サマーキャンプなど経験に振る
- 「何が得られるか」を求めて行かせない。経験のついでに英語がある、くらいの感覚で
- 嫌いにさせないことを最優先にする
1週間で言葉が身につくわけがありません。それでも3週間どっぷり浸かれば見えるものがある。3年勉強して見えるものがあるのと同じで、両方の経験をさせるのが理想です。
母国語は、アイデンティティ
言語には、話し言葉と書き言葉の両方があります。その両方が自然にできて初めてネイティブです。アイジュ医師の子は英語がぺらぺらでも、本人が「自分のネイティブは日本語」と言う。読み書きを含む母国語の土台が、その子のアイデンティティになっています。
アイジュ
ゆー選択肢を与える。ただし土台の上に
英語は、子供に選択肢を与えるための贈り物です。だからこそ、母国語という土台の上に積むのが順番です。何を母国語にするかは各家庭が決めればいい。ただ、日本人として生きるなら読み書きは外せません。あなたは子供に、どんな選択肢を残してあげたいですか。