こんにちは、プロデューサーのサトシです。今日はシーズン12-2の内容をお伝えします。

4年目で、ようやく専門だけになる

医局の話の続きで、入局の時期が話題になります。

ゆーさんの病院はイレギュラーでした。初期研修2年のあと、後期研修は内科を全部回る。循環器を3か月、呼吸器を2、3か月、内分泌と神経内科をそれぞれ2、3か月。主治医として患者さんを持ちながら回ります。専門ひとつに絞れるのは4年目からでした。しかもその年は同期に消化器内科の希望が3人いて、一度に固まるとバランスが悪いという理由で、3年目の途中に3か月だけ消化器を回り、また別の科に戻された。

アイジュさんは3年目で入局していますが、そのあと半年ほどローテーションしています。救急が2か月、循環器が4か月ほど。ただし回った先は第3内科の中です。同じ医局の中なら融通が利くけれど、他の科となると交渉が要るし壁が厚くなる、という話でした。

いまは医局によって5年目まで入局させないところもあるそうです。3年目は希望する科、4年目はローテーション、5年目で本決まり。厚労省の指導を大きく外れなければ、あとは病院の色を出せばいい、と2人は話していました。

上司に恵まれるかどうかで全部変わる、という点では意見が一致します。ゆーさんは初期研修から後期研修まで7年間お世話になった先生たちを、神でしたね、と言い切っていました。入局したての医師にどんどん検査をやらせようという空気があったそうです。主治医として40人近く受け持って回らなくなっても、上の先生が拾ってくれた。

上の先生たちが本当に働いていた。それを見ていると、自分が働かないでどうするという感覚になる。ハードでも許せてしまう。

我々はスイープする存在だ

アイジュさんの医局は小さいので、上の人も現場に立ちます。

アイジュアイジュ
講師なのに、祝日の透析当番をやらせたりするんですよ。
ゆーゆー
講師にですか。

4年目か5年目になると当直表を作る仕事が回ってきます。管理職の先生にこの日をお願いしていいんでしょうか、と指導医に相談すると、やらしちゃいやらしちゃい、と返ってくる。それで成り立っていたのは人望があったからで、頼まれごとに文句をつける人は残らなかった、とも言っていました。

腎臓内科は患者さんが次々に入れ替わる科ではありません。透析の患者さんは入院が長引きやすく、基本は慢性疾患です。その代わり、何が起きてもおかしくない。透析患者さんの消化管出血を専門外の科に任せると体液管理が崩れる。そこでもめる。

透析に通う患者さんは医療機関に慣れています。ドライウェイトはどうなっているのか、と主治医を試すように聞いてくる人もいる。専門外の医師に聞いても答えは出ません。そうしてこじれたものが、最終的に腎臓内科へ戻ってきます。あの患者さんは大変だからうちで引き取る、ということが本当に多かったそうです。

そこで出てくるのが、教授の言葉でした。

アイジュアイジュ
表立って戦士のように戦う循環器や、魔法使いのようにカメラを操る消化器とは違う。我々はスイープする存在だ、と。
ゆーゆー
後片付けをする側だと。

汚れてしまった残りを片付けて、患者さんを立ち上がらせて帰す。だから表にぼんぼん出る必要はない。そういうタイプの教授だったそうです。

そして患者満足度のアンケートを取ると、患者数が少ないのに腎臓内科が1位になる。

目立つ場所にいる科が、いちばん感謝されるとは限りません。